2025年5月23日 現代ビジネス
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中川昭一氏の甥だが関係は断絶している
自民党の北海道11区支部では5月17日に支部長の選考委員会を開き、3人の応募者から故中川昭一元国務大臣の甥である中川紘一氏と帯広市議の上野庸介氏の2人を党本部に推薦することを決めた。
しかし、地元関係者はこれに疑問を呈する。
「1人を選んで党本部に上申するというのが普通で、なぜ2人を推薦するのか理解できない。事前にそんな話は聞いてなくて、当日になって初めてそういう話が出てきたそうです。しかも党本部には『中川氏の方が若くて海外経験もあるので適している』という付帯意見をつけるという。17日の選考日もなぜか中川氏だけに記者会見をさせており、事実上中川氏に決めるために色々と小細工しているとしか思えない」
北海道11区は帯広市を中心とする十勝地方が選挙区で、中選挙区時代には農林水産大臣も務めた中川一郎氏が大物議員として長年活躍した。中川一郎氏の死後は長男の中川昭一氏が地盤を引き継ぎ、中川昭一氏の死後には昭一氏の妻の中川郁子氏が引き継いできた。
ところが、2017年の衆院選からは3回連続で立憲民主党の石川香織氏が当選し、強さを見せつけている。中川郁子氏は昨年の衆院選で落選し、政界を引退。新たな支部長を選ぶこととなったのである。
今回、事実上の支部長候補に選ばれた中川紘一氏は中川昭一氏の弟の息子、つまり甥にあたる。十勝地方の一部の道議や有力者らが中川紘一氏を強く推しているというが、それは「中川ブランド」を意識してのことだ。
ところが、前出の関係者は語る。
「中川紘一氏の出馬に関して、中川郁子さんには事前に何の相談もなかった。そもそも中川昭一さんと弟さんは途中で関係が断絶状態になってしまっているんです。中川紘一さんは東京で生まれ育っており、帯広にはほとんど来たことすらないんじゃないですかね」
実際のところはどうなのか。中川郁子氏に話を聞くと、困惑した表情でこう語る。
「中川紘一さんからは現在に至るまで電話の一本の連絡もないんです。それに、選考から漏れた方も地元で推薦人集めをするために色々と動き回ってらっしゃったので、東京にいる私の耳にもそういう話は入ってきました。ところが、中川紘一さんについてはそういう話が全然入ってこなかったんです。地元の皆さんもおかしいと不思議がってました」
中川郁子氏が何よりも問題視しているのは決定に至るまでの選考プロセスがブラックボックスになっていることだ。
「30人ほどの選考委員がいるので投票で決め、過半数に達する人がいなければ決選投票をやる、というのが通常だと思います。選考会に先立つ数日前に選考のルールを決めてるんですが、そこではまずみんなが意見をしてその後に無記名投票をする、ということに決まった。
ところが、当日になっていきなり『この中から2名を上申するように党本部から言われた』とありえない話をしてルールが変えられてしまったんです。しかも、『投票の結果、中川紘一さんの方が若干多かった』と言うんですが、誰が何票を獲得したかは示さなかった」
ただし、上野氏には「2人を上申する」という方針は全く伝えられておらず、上野氏は落選したと言われて帰らされ、中川紘一氏のみ呼ばれて記者会見をしたという。この際、「中川氏を推す声が多かったが、党本部から2人を上申するように言われている」と説明することで「中川紘一氏で決まり」という既成事実化が図られたのである。
「党本部からの指示など絶対にない」
ところが、中川郁子氏は党本部からの指示というのはありえないと語る。
「党本部から2人を推薦するように言われたというのは本当なのか、という問い合わせをたくさんいただいたので、党本部に確認しました。すると、『党本部からそういう指示をすることは絶対にない』ということでした」
さらに事実関係を確認すべく、5月22日、本会議を終えた自民党・森山裕幹事長を直撃した。
「北海道11区支部では『党本部から2人を上申するよう言われた』と説明していたが、そんなことあるのか?」と尋ねると、「え?」と驚いた表情を浮かべた。
そして、「党からそういうことはしないですね」と明言したのだった。
中川氏は自身の後継者については地元出身者が相応しいとしつつ、同時に選考過程が不透明であることが党にとって大きな損失になると懸念を語る。
「『中川ブランド』と言っていただくのはありがたいことですが、一般の有権者の方々はそのように考えてないと思います。中川一郎から62年間続いた『中川事務所』を閉鎖するのは断腸の思いでしたが、11区は立憲民主党が非常に強い。新しく地元出身で、地元に根ざし、国のことを考え、党への貢献度が高い方が選ばれて再スタートを切るべきだと考えました。
ところが、公平な選考でなければ支部が割れてしまう。そしたら11区はおろか今年の参院選すらも体制が整わないのではないかと心配しています」
こうした「不可解な選考」をもとに選ばれた2人の推薦者から、党本部はどちらを選ぶのだろうか。

































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